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腹腔鏡ヘルニアセンター

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腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(ラパヘル)


-腹腔鏡下鼠径(そけい)ヘルニア修復術は 「ラパヘル」 とも呼ばれています-

鼠径ヘルニア専門外来

腹部ヘルニア専門外来 :
 診療日:火曜PM・木曜PM ※完全予約制

   ※火曜AM一般外科外来でも診療可(予約不要)

当院地域医療連携室:0565-53-8700から予約が可能です。


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腹部ヘルニアに対して、日本最新の医療材料と医療機器を整備し、最先端の技術と知識による腹腔鏡下治療を提供しています。腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)の詳細をご覧ください。

日本ヘルニア学会の治療ガイドラインを順守しながら、分かりやすい説明を基本としたインフォームドコンセント(十分な説明と同意)を重視し、患者さんのQOL(生活の質)の改善を目指して治療を行っています。

早川医師は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)を1993年から開始し、2021年4月の時点で5000例以上執刀・指導して参りました。手術経験に基づき再発や合併症を最小限にする治療を提供します。

腹部手術後の腹腔鏡による腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアの治療も積極的に行っています。


1.「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TAPP法)」・「ラパヘル」とはどのような手術でしょうか?

当院の標準的手術では、非常に小さな3個(5、5、3mm)の穴だけの超細径化手術を行っています。

図5

図5
直径5㎜の非常に小さな穴から腹腔鏡カメラ(内視鏡)を入れる。
おなかの中に炭酸ガス(CO2)を注入して腹壁を持ち上げて大きな空間を作る。
内部を詳細に観察し、腸などの臓器が飛び出る穴(脱腸の出口)の位置や種類を正確に診断する。

図6

図6
細く長い手術器具(鉗子)を使用して腹腔内の操作を行う。

図7

図7
医療用の薄い網(メッシュ)のシートを小さな穴からおなかの中に入れる。
おなかの中でそのメッシュシートを、筋肉の欠損している穴の部分に内側から大きく覆うようにあてて閉じる。
メッシュが移動しないように、吸収されるクリップでメッシュシートを一時的に固定する。

お腹の中から腹腔鏡でみたヘルニアの穴

図8

図9

図10

図11

図8、9、10、11は腹腔鏡にておなかの中からみたヘルニア(脱腸)の穴です。正確に穴の位置が診断でき、さまざまなヘルニアの種類が確認できます。正確な診断ができますので、再発などの合併症が少なくなるのです。再発などの2度目の手術がないような確実は手術を行っています。
図12のこの網(メッシュ)は、特殊な医療用のポリプロピレンやポリエステルでできており、世界で一番薄いメッシュですが、非常に丈夫にできており、50年以上体内に入れておいても大丈夫な素材でできています。取り換える必要はなく、一生体の中に入れておいても大丈夫です。

図12

図13の様に、タイヤのパンクを内側から直すように、皮膚や筋肉を切り開くことなく、おなかの中から裏打ちするようにメッシュをあてて修復する、極めて理にかなった治療法です。

図13

図14は固定用のクリップです。広げた網(メッシュ)が移動することが考えられますので、網(メッシュ)を縫合するのではなく、しばらくすると溶けてなくなる吸収性の小さなクリップで筋肉などに網(メッシュ)を固定します。おなかの内側には「痛い」と感じる痛覚神経が基本的にありませんので、クリップ固定部や網(メッシュ)展開部の痛みはほとんどありません。

図14

鼠径ヘルニアの治療は、網(メッシュ)により筋肉の緩みを固定する手術ですので、筋肉がある程度固定されることで手術後しばらくはある程度の突っ張り感があります。痛みは非常に少ない手術となっていますので、手術後に鎮痛剤をまったく使用しなかった患者さんも半数以上いらっしゃいます。

手術後の痛みが極めて少ないだけでなく、傷跡もほとんど残りません。手術に使用した3個の穴の切開した皮膚は、手術後に皮膚用接着剤で固定しますので、手術終了時からすぐに入浴できる状態になります。手術後の消毒・抜糸などのための通院は必要ありません。術後には1~2週間前後と3カ月前後に1回ずつ受診していただきます。

手術直後の皮膚の傷

図15

図16

図15は超細径化手術終了時のおなかの傷跡です。皮膚用接着剤で固定されています。手術後に消毒や抜糸は必要なく、手術翌日から入浴も可能です。

図16は手術後1年のおなかの傷跡です。時間がたてば、傷跡はほとんど消えて分からなくなってしまい、傷跡がないことと、違和感などが残らないことから、手術をしたことも忘れてしまう患者さんがほとんどです。

2.「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TAPP法)」・「ラパヘル」の入院前後の経過

おへその近くの小さな穴から手術を行いますので、手術の前に陰毛などの毛を剃る必要は一切ありません。

この手術は非常に繊細な操作が必要で、難易度の高い手術です。手術中に少しでも患者さんが動くと危険ですので、全身麻酔で眠っていただきながら安全・確実な手術を行っています。

全身麻酔の手術ですが、鼻から入れる胃の管やおしっこの管なども一般的には使用していません。両側治療の場合や再発例などの難しい特殊なヘルニアの場合には必要となることがあります。

手術室では、麻酔の導入や手術の準備に1時間ほどかかります。手術時間は一般的には60分前後です。手術後は1時間ほどかけてゆっくり麻酔を覚まします。手術は1時間前後ですが、麻酔の関係もあり手術室滞在時間は約4時間前後となります。手術の難易度や両側治療の有無により手術時間は前後する場合があります。

手術後は麻酔が完全に覚めてから病室に戻りますので、手術後は当日からすぐにトイレに歩いて行くことができます。おなかの壁を治療するだけの手術ですので、麻酔が覚めれば1~2時間後には飲食は開始できます。

手術時間も短く傷が小さいため術後の回復は早く、手術後の痛みも少ないことから退院後は買い物や散歩などの日常生活に早めに復帰して下さい。早く日常生活に戻り、動きながらメッシュが馴染んで固定されていくことが推奨されます。切開手術とは異なり、手術後3~5日目にはゴルフやジョギング、畑仕事などが開始できます。

一般的には手術前日に入院し、翌日が手術となります。手術翌日の血液検査・レントゲン検査などに異常がなければ翌日でも退院可能となりますが、術後の経過により患者さんのご希望に合わせて退院していただきます。早めの入院希望の患者さんや入院日数を短くしたい患者さんは、診察時にご相談ください。できる限りご希望に沿うように検討いたします。

3.「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TAPP法)」・「ラパヘル」の手術成績

2024年10月の時点で478例の腹腔鏡下ヘルニア修復術(ラパヘル)を施行しています。
すべての患者さんに手術手技による合併症はなく、手術後の慢性疼痛患者さんも一例もいません。
痛みの非常に少ない、5,5,3㎜の超細径手術を行っています。
2024年12月からは患者さんのご希望があれば、ご相談しながら日帰り手術を開始します。

  • ヘルニア専門医である早川医師の5000例以上の担当患者さんでは、手術後の再発は非常に少なく、0.2%(1000人に2人)以下となっています。日本における一般病院の再発率は3~5%(1000人に30~50人)程度と言われていますので、全国レベルの20分の1以下の再発率となっています。

  • 全国の合併症率は8.1%(1000人に81名)程度と言われていますが、早川医師の合併症率は1.0%(1000人に10名)以下となっています。

  • 最高齢95歳以上の患者さん4名を含めた5000名以上の一般的な「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TAPP法)」・「ラパヘル」の中で、手術後感染にて網(メッシュ)を除去した例は現時点ではありません。手術による死亡や輸血を必要とする大きな合併症も一例もありません。非常に良い成績で、安全に手術が行われています。

  • 担当医師の経験と技術、病院の体制などで手術成績(再発率、合併症率)は大きく異なっています。鼠径ヘルニアの手術治療では、手術に向けて丁寧な説明をしていただける専門施設や担当医を選択することが大切です。
鼠径ヘルニアの手術治療は、病院により得意とする手術法と治療法や経過が異なります。
ヘルニアの種類、年齢、全身状態、既往症などにより手術法や手術内容が異なることもあります。
一生に何回も鼠径ヘルニア手術は受けることはありませんが、再発をさせずに合併症の少ない手術を初回に受けることが非常に大切です。
名豊病院の腹腔鏡ヘルニア専門外来では、患者さんとご相談しながら患者さんが希望されるもっとも良い治療方法を選択しています。いつでもお気軽にご相談ください。
医療法人純正会 名豊病院
腹腔鏡ヘルニアセンター
(発行:令和3年4月1日)

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