膝や股関節などの痛み

変形性膝関節症・変形性股関節症
という言葉をご存じですか？？

中高年に起こる膝の痛みのほとんどが「変形性膝関節症」によるもので、当院での診察にいらっしゃる中高年の患者様も他ではありません。

こういった膝、股関節など下肢疾患のエキスパート深谷先生のお話を交えながら、下肢の痛みや、当院での手術について詳しくお伝えします。

当院の深谷英昭先生は下肢疾患を専門する医師として北海道大学などで勤務し経験を重ねて参りました。現在は整形外科の専門性を追求しながら、患者さまに寄り添い最適な治療を行っています。膝や股関節などの痛みにお悩みの方は、どんなことでもご相談ください。

膝関節と股関節の痛みについて

膝の軟骨成分は「コラーゲン」で、ご存じの方も多いと思いますが、この「コラーゲン」に含まれる水分は年齢とともに徐々に失われていくものです。そうすると以下のようなことが起きます。

軟骨に弾力が失われ衝撃を吸収しずらくなり、ちょっとした刺激の積み重ねで、膝の関節自体が傷つく。

長年にわたる膝への負担、加齢による筋肉低下、体重の増加などにより、関節軟骨がすり減る。大腿骨と脛骨が直接ぶつかり合うことで、痛みが発生する。

「加齢だから…」など、自己判断により治療の相談をせず、これまでと同じような生活を続け、無意識の間に負荷をかけ続けると、傷ついて箇所からどんどん壊れていく。

こうした悪循環を経て「変形性膝関節症」となるケースが多いと言えます。

股関節も同じように関節にかかる負荷によって軟骨が摩耗し痛みが出てくる「変形性股関節症」という症状です。

膝も股関節も、もちろんその他の関節も、一度傷ついたら決して治りません。それが、膝関節・股関節における疾患の恐ろしさなのです。

手術について

膝関節の場合、傷んだ膝関節の表面を削り悪くなった箇所を切り取った上で、金属やセラミック、ポリエチレンなどの素材の人工関節と取り換える「人工膝関節置換術」を行います。
股関節の場合は傷んだ大腿骨頭を取り除き、骨盤側の受け皿となる骨の表面をきれいに削って、人工のものに置き換えます。

人工関節には素材や大きさなど種類が多岐にわたるため、患者さんの状態によって手術の方法を考えるなど、1人1人にとって適正な選択を取ること

深谷先生から見た、名豊病院で手術を行う強みとは

膝・股関節ともに、人工関節置換術は「何歳だから必要」といった年齢による区別はありません。人工関節にすることでどんな効果を期待しているのか、手術を受ける体力があるのかどうかが基準となります。

膝や股関節が痛いため思うように動けず、我慢しながら暮らしている方が、「旅行に行きたい」「自分の足で家の中を歩き、自分でトイレに行きたい」など、1人ひとりが持つ望みを叶えるのが、人工膝関節と人工股関節だと考えます。

全身状態が良好ではない高齢者や、持病をお持ちの方でも当院なら麻酔科や内科の先生方と相談しながら安全に手術を行うことができます。膝や股関節の痛みにお悩みの方は、ぜひ一度当院にお越しください。

深谷先生が診察する上で大切にしてること

私は、診察室に入ってくる時から患者さんの歩き方を観察しています。なぜかというと、足の引きずり、レントゲンでも関節が変形していることが確認できるのに、" 痛くない "とおっしゃる方がいるからです。痛くない理由は「痛くならないように、無意識に関節を使わずに歩いているから」に他なりません。だからこそ患者さんの歩き方を観察した上でお話をしっかり伺い、下記のことを確認しながら、痛みの原因を探ります。

最初に痛みが出たのは？

どんな時？

日常生活でどんな時痛い？

患者さんの関節に触れ、これまで自分が蓄積してきた症状などの様々な情報や知識を生かし、患者さんの状態を正しく知ること。それが関節専門医の最初の仕事になります。

手術後について

人工膝関節置換術は、全身麻酔または下半身麻酔で行います。ベッドから車椅子に乗りかえ、まずは立ち上がり一週間もすれば自分の足でゆっくり歩けるようになるでしょう。
ただ、退院したら終わり絵ではなく、人工膝関節に慣れるまでに時間が必要ですので、体のメンテナンスも重要です。定期的に受診するのはもちろん、ストレッチやマッサージも忘れずに続けていきましょう。

深谷先生より

変形性膝関節症も、変形性股関節症も「歳だから仕方ない」と、決してあきらめないでください。やりたいことを我慢して家から出られないでいると、いつか心身ともに健康が損なわれていきます。まず、話をしっかり聞いてくれる関節の専門医、経験豊富な整形外科医をみつけ、どんな小さなことでも相談してください。そして適切な治療方法を見つけていきましょう。